安全性や省エネ性能により、人気が高まっているエコキュート。ただ、電気代が抑えられる、夜間にお湯を沸かすといったざっくりとした知識はあっても、どのような仕組みで動いているのか?ガス給湯器と比べて何が違うのか?など、あまり詳しくは知られていません。
今回は、そんなエコキュートについて解説していきたいと思います。
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家庭で最もエネルギーを使うのは「給湯」
家庭で最もエネルギーを使うのは「給湯」だということをご存知でしょうか?
資源エネルギー庁「エネルギー白書2024」によれば、家庭エネルギー消費の約27.2%が給湯だという調査結果が出ています。
給湯に使うエネルギー消費を抑えることが、省エネのポイントになってきます。
エコキュートとは?
エコキュートの正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」。電気と空気熱を併用してお湯を沸かすヒートポンプ技術を使った家庭用給湯システムのことです。
安い夜間電力を使用して効率良くお湯を沸かすため、省エネで、ガス給湯器よりもランニングコストを抑えることができます。
ヒートポンプ技術は、エアコンでも活用されている技術です。パナソニック、三菱、ダイキン、日立、東芝などのエアコンでも定評のある電機メーカーが多く製造しています。
エコキュートの仕組み
エコキュートは「ヒートポンプ」と「貯湯タンク」の2つで構成されています。「ヒートポンプ」は、熱をつくり出す機械で、エアコンの室外機のような形をしています。「貯湯タンク」は、沸かした湯を貯めておくタンクのことで、大きな冷蔵庫のような形をしています。
エコキュートは、以下のようなサイクルを繰り返して、貯湯タンクに沸かしたお湯を貯めていきます。
- 空気中の熱をヒートポンプユニット内の熱交換器の冷媒が取り込みます。
- 冷媒をヒートポンプ内の圧縮機で圧縮してさらに高温にします。
- 高温になった冷媒(CO₂)の熱を水に伝えてお湯をつくります。
- つくられた高温のお湯は貯湯タンクに貯めておきます。
- 熱を奪われた冷媒(CO₂)は膨張弁に運ばれて、低温になります。
- 貯湯タンク内の高温のお湯は、水を混ぜて設定温度にし、お風呂や台所、洗面などに給湯されます。
エコキュートのメリット
それでは、エコキュートを導入することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか?具体的にみていきたいと思います。
給湯にかかる費用が安い
エコキュートは、ヒーターで加熱するのではなく、空気中の熱を圧縮して少ない電力でお湯を作ります。また、夜間の安い電力や、昼間の太陽光発電の0円の電力を使用してお湯をつくって貯めておけるため、給湯にかかる電気代を抑えることができます。
環境にやさしい
エコキュートは、再生可能な空気中の熱を使ってお湯をつくります。そのため、CO₂の排出量もガス給湯器と比べて少なく、環境にもやさしい給湯機器です。
電力ピークシフトに貢献
エコキュートは、多くの電力を使う昼間の時間帯は電気を使わず、電力使用量の少ない夜間に運転するため、昼間の電力需要を夜間の時間帯に移行させるピークシフトに貢献します。
※設定によって、昼間の電力を使う場合もあります。
災害時の生活用水として使える
電気や水道が止まってしまったときでも、貯湯タンク内にお湯が貯まっていれば、備え付けの非常用水栓から、お湯(水)を取り出すことができます(※飲料水としては使えません)
また、災害時のライフラインの復旧は、ガスより電気の方が早いといわれています。電気でお湯を沸かすエコキュートの方が、安心ですね。
ガス給湯器との違い
お湯をつくる燃料と仕組みが、異なります。
エコキュートは少量の電力と空気中の熱を使ってお湯をつくり、お湯をタンクに貯めて利用します。
一般的なガス給湯器は、ガスによって配管を温め、その中に水を通すことでお湯をつくります。使う分だけお湯をつくって利用します。一見無駄がなさそうですが、ガス給湯器では、お湯を沸かすために、燃料ガスのほか、給湯器自体を動かす電気も必要です。CO₂もより多く排出するため、環境にやさしいといえないのが、エコキュートとの大きな違いでもあります。
また、火災の恐れがあるガス給湯器に対して、エコキュートは火を使わないという安心感もあります。
最新のエコキュートは、従来のものよりも機能がアップしています。また、ご家庭によって必要なタンクサイズも異なってきますので、製品を知り尽くしたプロに相談するのが1番です。買い替えなどをご検討の方は、アフターフォローに定評のある、プレジャーハウスへお任せください。
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